前のコラムで「伝わればいい」と書いておいて何ですが、はじめから間違ったものを学ぶのはやはり非効率。できれば、最初から正しい情報をインプットしたいものです。
「この表現が丁寧です」「ネイティブもよく使います」 ──英語学習サイトでそんな断言をよく見かけます。でも、本当にそれ、ネイティブが日常で自然に使ってる?が今日のテーマです。
アプリを作るにあたり、他のいろいろな英語学習サイトを調べました。そこで発見したのは…?!
「正しい」と「自然」は別物。むしろズレていることすらある。
今回はそんなネット英語神話を実例とともに検証していきます。
その英語本当に自然ですか??
英語学習サイトでの実例を検証
- “May I have ~?” はレストランでの定番表現? → ❌
「丁寧な表現」として紹介されがちだが、実は日常の注文シーンでは不自然。
ネイティブは “Can I get ~?” や “I’ll have ~.” を使うのが圧倒的。 - “often” は否定文か疑問文でしか使えない? → ❌
“often” は肯定文でもバンバン使われる。“I often see that client.” は普通に自然。
文法的にもネイティブ感覚的にも誤りで、言いきっているのがヤバい。 - “dashing” は日常的に使うおしゃれな表現? → ❌
「魅力的」という意味で使えなくはないが、実際は古風・ジェントルマン寄り。
現代では“good-looking”や“charming”が自然。 - “I have been to New York.” は一度しか使えない? → ❌
現在完了形の制限を誤解しているパターン。複数回訪問も文脈次第で表現できる。 - “as a form of distraction” は一般的な「気晴らし」表現? → ❌
意味として成立はするが、実際には「気を紛らわせる/逃避」的ニュアンスが強く、気晴らし・気分転換として自然に言うなら、“It was a good diversion.” のような表現のほうが一般的
あいむふぁいんせんきゅーえんどゆー?
学校で英語の授業の度に繰り返したこの言葉。(今もなのかな?)
残念ながら、ネイティブの日常会話ではかなり不自然で、実際にはまず使われません。
✅ 儀式的すぎて「型」にはまりすぎている印象
✅ 健康状態が悪くない限り、普通は “fine” とは言わない
ネイティブがよく使うHow are you への返し方(カジュアル)
返し | ニュアンス |
---|---|
Good, thanks! You? | 一番よく使う。カジュアルで自然。 |
Pretty good. How about you? | “まあまあ元気だよ” 的なリアルな回答。 |
Not bad. You? | 無難でよく使われる。 |
Doing great, thanks! And you? | ポジティブな印象。元気アピールにも。 |
I’m okay. How about yourself? | 少しフォーマル・控えめ。 |
厳密には「あなたの調子どう?」という意味の質問文ですが、
ネイティブの日常会話では
- 質問ではなく、あいさつ(=答えなくても成立する)
- 「Hello」に毛が生えた程度の軽さ
- 真剣な意味はない
なので「How are you 」に対して「How are you 」って返すのも自然です。
なぜ誤解が広がるのか?
- 英語学習の多くが「文法」ベースになっており、ネイティブ感覚が抜け落ちやすい
- 「正しい=自然」と思い込みがちだが、言語は文脈・温度感・距離感が命
- 誰でも情報を発信できる時代ゆえ、「個人の思い込み」「ズレた断言」が無防備に広まりやすい
- 地域によってもだいぶ違う(イギリスとアメリカもそうだが、アメリカ国内でも)
このアプリのこだわり:リアルに使えるかどうかがすべて
だからこそ、私たちのアプリでは「文法的に正しいか」ではなく「ネイティブが聞いて違和感なく受け取れるか」「本当にその場面で使うか」を重視しています。
伝わればいい。でも、せっかく学ぶなら、伝わるうえに自然な英語を。
覚えなおしは大変… 学校で習った英語を覆す大変さと言ったら…
MET_My English Trainer
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